毎年、時期関係なく種子が手に入ったら種子を撒いている。
毎年、撒き方を試行錯誤している訳だけど、どの方法が良いか未だにわからない。本当の新鮮な種子なら小細工しなくても、そのまま育成用土に種子を置いて霧吹きで種子と用土を湿らせとけば問題なく発芽してくれる。だけど希少種等は海外から輸入してくるから、いくら新鮮といっても数ヶ月は経過している可能性があるし、輸送中の過酷な環境の中でダメージを受けて発芽能力が落ちている、あるいは発芽しなくなってしまうものもある。
そんな中で少しでも発芽を促すために試行錯誤している方法を2025も記録する。
※過去にも同じような記録を残しているが発展系ということで…
播種前の処理編

今回は[seed stock]さんで購入したイノピナツム。
インスタの投稿を見て発芽率が7割を超えているらしく飛びついた。
少し前に輸入したイノピナツムは1割の発芽率。半分以上はカビが発生して破棄という…
まずはビニール袋に入れたままベンレート希釈水を種子が浸かる程度「少量」注入し2時間程度殺菌処理 ※気休め程度のおまじないだが、やらずにカビたら後悔するだろう
環境は明るすぎず暗すぎず、25℃ぐらいで管理
そしてそのままメネデールを注入。メネデールはまぁまぁの量を。そこから数時間浸けておくわけだが今回は6時間にした。ベンレート2時間+メネデール4時間
着けて置く時間は鮮度、品種によるので適度な時間は自己判断で。
ちなみに自分の経験と自分ならそうするかな?って目安を記録
※種子小さい系
国内採取で譲ってもらった種子は上記の計6時間浸け
輸入した種子はベンレート4時間+メネデール8時間 計12時間
※種子が少し大きい系
国内採取で譲ってもらった種子は上記の計6時間浸け
輸入した種子はベンレート4時間+メネデール18時間 計24時間
これらは自分の経験上の偏見があるのだが
ベンレート1時間+メネデール2時間
ナマクアナム、レアリーは比較的発芽が早い※ナマクアナムは1日で発芽 するので浸けすぎなくても良いし、浸けすぎによる発芽してからの発育に影響が出ることが多かった。
全般的に言えるのだが種子がしっかり吸水し膨らんだのを確認したらOKだと思う。
なかには吸水しきれていない、膨らんでいない種子が出てくるが、それは別途吸水した方が良い、こともあるとか。
播種編
処理準備も終わり、いよいよ播種するがここで3種類の播種方法を選択することになる
環境はどれも統一で
温度25℃程度 ※ウインゾリーは30℃程度、ナマクアナムは20℃強
光は強すぎず弱すぎず
そのまんま播種
これは採れたての超新鮮種子で行う。採れたらそのまんまセットした育成用土に種子を置き小まめに霧吹きでシュッシュっと吹いておけば発芽するお手軽方法。
注 超新鮮か、採れてからの管理が良い場合のみ
キッチンペーパー

上の写真のように播種する方法
トレーにキッチンペーパーを数枚(私は5枚ほど)重ねてメネデールをたっぷり湿らせて処理した種子を等間隔に置いていく。置いたら全体に霧吹きで再度湿らせる。
環境によるがキッチンペーパーは乾きやすいのでラップをかけ、細かい空気穴を無数にあける。面倒なら透明なフタをして隙間を開けておくのも。
注 光の当たり具合で温度が高くなりすぎたり、蒸されてしまうことのないように。
メリット
・キッチンペーパーなので清潔
・汚れたら交換しやすい
・発芽の状況が見やすい
・種子と種子の間を広くとってカビが転移するのを遅らせる
デメリット
・カビが生えても白いので気付きにくい
・キッチンペーパーが乾きやすい
・キッチンペーパーが汚れやすい

手軽なので一番多用する播種方法。小まめに霧吹きが出来るならラップはかけなくても良い、かも。新鮮な空気の流れがあった方が良さそう。
苗床使用

播種~発芽までの専用セットを使用した苗床仕様
なんだかんだ言っても種子は土の上の方が発芽しやすい!かもしれないので気合を入れての播種はこのスタイルをすることもある。
用意するものはタッパ。※仕切りがあるものは品種ごとに播種できるので便利 タッパの底周辺にドリル等で穴を数カ所多めに開ける※底に開けると腰水トレーとの隙間が出来づらい
用土に赤玉小粒、表土に細粒で覆うとBESTだが無くてもOK。
写真のようにセット出来たら水をかけて微塵を抜き、熱湯をかけて殺菌。
腰水容器にセット↓


こんな感じで準備完了。腰水の量を調整しながら。上の写真はヒタヒタ。もう少し少ない方が良いが蒸発してちょうど良くなるはず。
ラップをするか?と問われれば私はしない。乾燥しにくいので出来るだけ新鮮な空気の流れを種子に感じてもらいたい。
そして種子を置き発芽を待つ

残念な結果の例 カビ画像

気合を入れてもカビが生える時は生える。カビが生えた種子は廃棄。ここでよく見て廃棄すること。近くの種子にカビが生えて、カビに接触していたとしても種子自体からカビが生えていなければ発芽する可能性は充分ある。カビが生えた種子は先端からカビが発生しているので、そうでなければ諦めない事。カビに触れてしまったなら再度ベンレートで消毒するのも良いかもしれない。
発芽編


発芽経過 上 マカイエンセ 下 ウィンゾリー
キッチンペーパーなら発芽したらすぐに育成用土へ植え替えるのだが、用土の上なら立ち上がるまで放っておいても良い。
発芽後の植え替え

キッチンペーパーで発芽
この状態ですぐに育成用土への植え替えが必要

赤玉の苗床で発芽
この状態で植え替えても良いがもう少しこのまま成長させるのもOK。ただ根が伸びてしまう新たな用土に植えこむのに根が長すぎて大変になることも。

用意した用土に穴をあけ、発芽した苗の根を優しく埋め込む。仕上げに霧吹きをすると周りの用土が穴を埋めてくれる。
発芽後の初期対応の重要さ
播種という作業を終えて、発芽というスタートラインにつけただけ。
さらにここから大事な時期に突入していきます。生まれたての苗だから優しく扱わなければ…なんて思っていると、アッ!!っという間に徒長してしまう。初期の樹形を決める勝負は子葉が出るまでが肝心だと感じている。
光
強光までは必要ないが弱光では心もとない。3~4万ルクスは必要かと。自分は6~8万ルクスで抑え込む。子葉が出たら少し弱くしているが常に3~4万ルクスが良いかと。
風
必ず必要。成長のためにも健康のためにも。出来たら首振り、ランダム機能の付いたサーキュレーターで株に刺激を。
水
乾かさないように。用土は常に湿っている状態が良い。気が付くと霧吹きしているぐらいでもよいと思う。底面吸水で用土が常に湿っている状態が望ましい。高い水位の腰水だと用土内に空気が無く根に空気が届かない。
※水耕はどういう原理???なんならよく育つけど??確かに…高い水位の腰水でも良く育つ。新鮮な水なら良いんじゃないかという妄想。
なんなら子葉が出るまでが一番強いのでは?と感じているので、厳しく!甘えさせてあげるようにしている
2026 新たな播種へ向けて
今回改めて記録を残したのは、数年かけてより良い播種方法を試してきたがある程度固定化できたのではないかと思ったから。
新鮮な種子を播種するのは意外にも容易いが、おそらく今後も希少種、輸入種子を撒き続けるだろう。その時にまたこの記録が役に立ち、さらに新たな発見があれば、記録も増え続いていくのだろう。
この可愛さを味わったら…種まきは止められない。



コメント